山崎法律事務所ブログ

2013年10月26日 土曜日

事業承継(第2章 民法の原則に従ったときの不都合性 第1款 遺留分の存在)

先代社長が事業を円滑に後継者に相続させる方法として,遺言書の利用があります。
遺言書で,特定の者を後継者として,この後継者にその有する株式を全部承継させるという方法があります。
この遺言書を使った方法でも,先代社長は,事業を後継者に円滑に承継させることができることもあります。
この制度は,他の相続人が遺留分を主張しなければという留保付きになります。
 遺留分というのは,妻,子,尊属が相続人の場合,遺言書でこの方たちに相続させないで特定の相続人に相続させる内容の遺言書を作成したとしても,妻,子が相続人の場合にはその法定相続分の2分の1,尊属が相続人の場合にはその法定相続分の3分の1については取り分を保障する制度です。
ですので,先代社長が,兄弟のうちの1人を後継者として定め,その方にすべての株式を相続させるという遺言書を作成したとしても,他の相続人が遺留分を主張することができるとなります。
例えば,相続人が,妻と5人の子で,相続財産が3,000万円うち株式2,000万円であったとします。そして,株主をすべて1人の子に相続させたとします。すると,遺留分は妻は,3,000万円×1/2(法定相続分)×1/2=750万円,子1人当たりは,3,000万円×(1/2×1/5)(法定相続分)×1/2=150万円となり,遺留分合計は妻750万円+子150万円×4=1,350万円となります。相続財産のうち株式以外の財産は3,000万円-2,000万円=1,000万円ですので,株式以外の相続財産を遺留分として手放すとしても1,350万円-1,000万円=350万円については株式について遺留分を主張されることになります。
これは,相続財産に含まれている本宅,金融資産等株式以外の資産を遺留分に当てた場合です。
本宅なども後継者が相続するのであれば,株式に対する遺留分は半数を超えてしまうこともあります。

このように,遺言書を利用した事業承継では,遺留分を主張されることにより,事業承継が円滑に進まない危険性があります。


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